恋愛じゃなくて「探索」だった。顔出しなしで出会った人と結婚するまで
今回は、2ヶ月後に入籍予定の田代さんにお話を伺いました。
田代さんは現在27歳。ITベンチャーで経理として働き、外見が見えないアバターアプリで出会った方とお付き合いを始めました。
今まで交際経験はなく、人と深い関係性を築くことも苦手だったそうですが、初めてお付き合いされた方と結婚しようと思うまでの、あたたかい話を聞くことができました。
■ 「メッセージ」という高い壁
柴田: 田代さん、今日はお時間いただきありがとうございます。お話伺えるのを楽しみにしていました。現在お付き合いされている方とは、ご結婚予定だと伺いました!
田代: 2ヶ月後の来年2月に入籍します!両家顔合わせは今月です。
柴田: それは本当におめでとうございます! 田代さんはこれまで、いわゆる「マッチングアプリ」を使われたことはあったんですか?
田代: 半年ほどアプリはインストールしてましたが、実際は最初の1ヶ月で利用をやめました。
柴田: どのあたりがハードルでしたか?
田代: 「メッセージ」ですね。 5〜6人の方とマッチして、2〜3人から返信があったのですが、メッセージがしんどくてやめてしまいました。僕、仕事の連絡でも下書きをして推敲するタイプでして…。とにかくメッセージは苦手なんです。それで疲弊してしまって。
柴田: ああ、すごく分かります。僕もそうでした。「デート」というスタートラインに立つ前の、文字のやり取りがすごく難しいですよね。
田代: そうなんです。それに加えて、僕は第一印象だけではあまり相手に興味が持てなくて。「どんな人か」が理解できないと、深く興味を持てないんです。
柴田: 一般的なアプリでは、写真を見て判断する方もいると思いますけど、田代さんはその人の考え方や価値観を知ることが大事なんですね。
田代: まさにそうです。メッセージを考えるのもしんどいし、相手に興味も持てないので、アプリはアンインストールしました。
■ 恋愛ではなく「探索」から始まった
柴田: そんな田代さんは、アバターで通話から始まる出会い方を選択されたわけですが、外見が見えないことは気にならなかったんですか?
田代: 第一印象があまり重要じゃないので、外見が見えないことは気になりませんでした。メッセージじゃなくて「電話」がメインであることが一番良かったです。
柴田: 外見が見えない状態で、話す体験はどうでしたか?
田代: 相手の考え方や価値観だけに集中して、リアルタイムで話しながら知れるのが良かったです。 最初は恋愛というより、一種の「仲良くなるゲーム」のような感覚で会話をしていました。「この人はこういう時、どう考えるんだろう?」と、サンプルを集めるような感覚で。
柴田: なるほど。いきなり恋をしようとするのではなく、まずは相手の好きなことや考え方を知ろうとしたんですね。
田代: そうです。例えば一緒にすごろくゲームをしながら、「老後はどう過ごしたい?」なんて話を振ってみる。そこで「温泉でのんびりしたい」と返ってきたら、「ああ、そういうことを大切にする価値観なんだな」とデータを蓄積していきました。
■ 「ファミチキ」が教えてくれたこと
柴田: 探索をしている感覚だった相手と、付き合いたいと思ったきっかけは何だったんですか?
田代: 明確なきっかけが2つありました。 一つは、僕が風邪を引いた時です。付き合う前だった彼女がLINEギフトで「ファミチキ」を送ってくれたんですよ。「元気になったら食べてね」って。
柴田: ファミチキ! なんだかリアルで素敵ですね。
田代: 風邪でしんどい時に「ほどほどに気にかけてくれている感じ」がすごく心地よくて。「ああ、この人は僕のことを大事にしようとしてくれているんだな」と、じんわりあたたかいものを感じました。
柴田: ちょっとした優しさって、心に染みますよね。もう一つは?
田代: 僕が少し自虐的な発言をした時に、彼女が、怒るわけでもなく、スッとこう言ったんです。 「そういう言い方は、誰も幸せにならないよ」って。
柴田: おお…。
田代: 受け止めやすい伝え方で言ってくれて、すごく良いなと思ったんです。彼女は僕のことを大切に思いつつ、自分自身の軸もちゃんと持っている。「相手に受け入れられる言い方で、自分の主張をちゃんとする人だ」と気づいた時、この人と付き合いたいと強く思いました。
柴田: 外見やスペックではなく、ちょっとした優しさと、人としての尊敬が、付き合いたいと思ったきっかけだったんですね。

■ 外見を全く知らない「初対面」
柴田: 外見を全く知らない状態で会うことに、怖さはなかったですか?
田代: 怖さは全然なかったですね。むしろ「どんな人なんだろう」と会えることにワクワクしていました。
柴田: ワクワクしていたんですね。
田代: 実際会ってみたら、綺麗な方だなという印象で、話していても会う前と会った後で「イメージと違った」ということもありませんでした。
柴田: 今、お二人の関係はどうですか?
田代: 付き合った当時より砕けてきていて、更に仲良くなりました。 もちろん喧嘩もします。でも、根本的に「お互い大事に想ってる」と分かっているので、2〜3日で仲直りします。 実は僕、自分の人生にあまり執着がないタイプで、ご飯も食べずにずっと仕事をしちゃう時があったんです。でも今は、彼女を大事にすることを通じて、結果自分自身も大事にできるようになりました。だから、今の関係性にはとても感謝してます。
柴田: …とても素敵な関係ですね。彼女との出会いは、田代さんにとって本当に良い出会いだったんだなと感じました。
■ 取材後記:内面から始まる物語を、もっと。
田代さんのお話を聞いて、すごくあたたかい気持ちになりました。
「この人はどう考えるんだろう?」と対話を重ね、気づけばかけがえのない存在になっている。 そんなあたたかい内面から始まる恋愛が、選択肢としてもっと広がると良いなと思います。
外見で評価したり、メッセージのやり取りに疲れてしまって、孤独を感じている人がいたら、「内面からの出会い」を選択肢として検討してみてください。
僕たちが作っている、内面だけのマッチングアプリ「メモティア」で、田代さんは現在のパートナーと出会いました。
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